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マイクロソフトの逆襲
技術

マイクロソフトの逆襲

ソリューションSec西川です。

今IT業界はChatGPTの話題で盛り上がっており、弊社ブログでも既に2名が記事を書いておりますが、今日はオープンソースAI市場について考察してみたいと思います。

まずはChatGPT。OpenAI社は2015年にサム・アルトマンイーロン・マスクらによって資本金10億ドルでサンフランシスコで設立されました。

現在イーロンマスクは役員を辞任しOpenAI社から離れているようですが、創業からわずか7年後の2022年11月30日にChatGPTをリリースしていることになります。

そこに至るまでの過程で重要なポイントとなるのが、マイクロソフト社による出資です。

マイクロソフトは2019年までにこのOpenAI社に目をつけており、10億ドルを出資することでChatGPTの前身となるGPT-3の独占ライセンスを取得しています。

そして今年の年明けマイクロソフトがOpenAIにさらに100億ドル(約1.3兆円)を投じることが明らかになったわけですが、ここで浮かび上がってくるのがマイクロソフト vs Googleの構図です。

なぜマイクロソフトが莫大な投資をしてライセンスを抑えたのか。

検索エンジンシェア率からみてもわかる通り、Googleは84.4%であるのに対してマイクロソフトBingはわずか8.9%。昔は官公庁系ではIEしか使用を許されておらず、外部からインストールするサードパーティ製のブラウザの方が珍しい時代もありましたが、最近ではEdgeもBingもほぼ使わないですね。(愛用者の方すみません)

マイクロソフトとしてはこの現状に対抗するために対話型AIであるChatGPTによってGoogleのコアビジネスに打撃を与えシェア奪還を目論んでいるものと思われ、現にマイクロソフトが100億ドルの出資後、Google社はCORD RED(非常事態宣言)を表明しています。

検索エンジンがなくなりChatGPTに置き換わる未来がくるかも・・・?

そう考えたGoogleは当然ChatGPTを野放しにするわけもなく、先日対話型AIの対抗馬『Bard』をアメリカとイギリスでβ版リリースしました。

Bird(鳥)ではなく、Bard(吟遊詩人)という意味らしいです。

ChatGPTとBardの比較についてはここでは割愛しますが、大きな違いとしてChatGPTはAIモデルの学習が2021年までで止まっているのに対し、Bardは2023年の最新データまで反映されているようです。

質問によってはBardの方が優秀であるという結果もあるようなので気になった方は調べてみてください。

そしてもう1社、巨大IT勢力のうちマイクロソフトがターゲットにしているのがAmazonです。

エンジニアではない一般の方がイメージするのはAmazonと言えばショッピングサイトだと思いますが、主力事業はクラウドサービス(AWS)であり、トップシェアです。

マイクロソフトはここでもAzureというクラウドサービスを展開しており、検索エンジンほどシェア率に開きはないものの挽回を図る必要があります。

そこでマイクロソフトがOpenAIに求めた出資契約の内容として「OpenAIの利益75%」「株式49%」に加えて『Azureの独占使用』というものがあります。

Azureユーザーに対してChatGPT機能を提供することで更なる収益の向上を狙っているものとみられます。

1990年台はWindowsによって独占状態だったマイクロソフトですが、近年はGoogle, Amazon, Meta, Appleなどの新勢力に置き換わりつつあったのでこのタイミングで逆襲を開始、といったところでしょうか。

個人的には検索エンジンは検索エンジン、対話型AIは対話型AIとしてそれぞれの最適なユースケース・メリットデメリットがあると思いますので、ユーザー目線で使いやすいサービスになることを期待しながら今後の成長を見守りたいと思います。

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