レース製造業様向け基幹業務システムのリプレース
反物1本ずつを追いかける。現場の数え方をそのままシステムにした基幹システム
部門ごとに流れが異なるレース製造業の基幹システムをリプレース。反物の総長・疵長・純長といった業界固有の計算まで、現場の数え方をそのまま実装しました。
システム概要
- 業種
- 繊維(レース製造・加工)
- システム規模
- 業務機能15/マスタ10/帳票14種類/利用端末 デスクトップPC 5台+タブレットPC 2台
- 開発期間
- 1年
- 費用レンジ
- ソフトウェア 1,000万円〜1,500万円(別途ハードウェア 200万円台)
- 使用技術
- C#/Microsoft SQL Server 2017 Express Edition
- プラットフォーム
- Windows 10 Pro 64bit(デスクトップPC 5台+タブレットPC 2台)
背景・課題PROBLEM
部門ごとにバラバラの流れを、1つの基幹システムに束ねる
レースの製造・加工・染色・シャーリング・倉庫保管まで手掛けるお客様の基幹システムをリプレースする案件でした。業務の流れそのものが独特で、既製のパッケージでは表現できない要件を抱えていました。
通常部門・シャーリング部門・染色部門・倉庫部門・業務部門と部門ごとに扱う伝票と流れが異なる(売上伝票だけでシャーリング用・S伝・N伝の3種類)
加工したレースは1つのレースに複数巻くことがあるなど、現場の数え方が独特
反物の「総長」「疵長」「純長」といった業界固有の計算があり、疵長はコードで入力する独自ルールが存在した
倉庫保管に対する保管料計算、得意先ごとの締め日、運送会社ごとに異なる送り状など、周辺業務が広範囲におよぶ
新元号への対応コストを避けたいという要望もあった
提案SUGGESTION
- 業務フローを描いてから機能を切り出す
- 現場の入力ルールをそのまま実装する
- 帳票とラベルはテンプレートで運用できるように
- 誤操作と事故を防ぐ作り込み
- コストを抑える選択
業務フローを描いてから機能を切り出す
最初に、外注先・加工・倉庫部門・出荷・染色部門・通常部門・シャーリング部門・業務部門・得意先・出荷先をつないだ想定業務フロー図を作成し、どの部門でどの伝票が発生するかを整理しました。そのうえで機能を切り出し、概算費用まで含めてご提示しています。
現場の入力ルールをそのまま実装する
・長さ欄は「13.7*5」「13.7X5」の形式で入力でき、総長を自動計算(この例では68.5)
・疵長はコード入力に対応。「5323」と入力すれば 0.1m×2×3ヶ所=0.6m として解釈し、総長−疵長=純長を自動反映
・明細行のソート・併合(同一行をまとめて反数を合計)・複製、Alt+矢印キーでの明細切り替えなど、キーボード中心の操作を用意
帳票とラベルはテンプレートで運用できるように
ラベルや送り状はExcelテンプレートで管理し、ラベルマスタ・印刷テンプレートマスタ・運送会社マスタと関連づけました。運送会社ごとに異なる送り状もマスタ設定で切り替えられます。
誤操作と事故を防ぐ作り込み
・売上伝票が発行された加工明細は編集・削除を不可とし、売上伝票が削除されれば再び編集可能に戻す
・加工明細画面は複数ウィンドウを同時に開けるが、同時編集は不可
・異常終了でロックが解除できない場合に備え、強制ロック解除ボタンを設置
・DBに接続できない場合はシステム設定以外のボタンを押せなくする
コストを抑える選択
日付は西暦表記に統一して新元号対応費を削減し、データベースはSQL Server Express Edition(10GBまで無償)を採用しました。バーコードリーダ・プリンタ・UPSまで含めたハードウェア構成も併せてご提案しています。
成果RESULT
加工明細から売上・請求・入金・売掛台帳・保管料請求まで、部門をまたぐ業務を1つのシステムに集約
ラベル・バーコードによる読み取り運用で、入庫・出荷指図・出庫の各工程を追跡可能に
要件定義書は約10ヶ月かけて13版まで改訂。現場と合意しながら仕様を固めたうえで開発に着手
稼働後も機能改善案件を継続してご依頼いただいている




業種特有の言葉と計算がそのまま業務になっている現場では、要件定義に時間をかけるほど後の手戻りが減ります。今回は「疵長のコード入力」のように、一見すると分かりにくいけれど現場では当たり前の入力方法を、そのままシステムに落とし込みました。パッケージに業務を合わせるのではなく、業務にシステムを合わせる進め方です。