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棚卸しの効率化をRFIDで|一括読み取りの仕組みと注意点
技術

棚卸しの効率化をRFIDで|一括読み取りの仕組みと注意点

こんにちは!!営業の笹本です!!

みなさん、棚卸しの日ってちょっと憂鬱じゃありませんか?僕はお客様の現場にお邪魔することが多いのですが、「休日に出社して一日がかり」「終わったのは夜で、しかも数が合わなくてもう一周」という話、本当によく聞きます。年に2回のことなのに、その2日間のために現場のみなさんが疲れ切ってしまう。もったいないなあと思うんです。

で、先に結論から言ってしまいます。RFIDの「一括読み取り」を使うと、棚卸しにかかる時間は導入事例ベースで5分の1〜10分の1くらいまで縮むことがあります。「1日かかっていたものが1時間」というのは、決して盛った話ではありません。

ただし、これはどんな現場でも自動的にそうなる魔法ではないです。効く現場と、正直あまり効かない現場があります。今回は「なぜそんなに速くなるのか」という仕組みの話と、「うちの現場でも効きそうか」を見分けるポイントを、できるだけ正直に書いてみますね😄

そもそも、棚卸しの何がしんどいのか

棚卸しがしんどい理由って、実はそんなに複雑ではなくて、「1個ずつ」が積み上がっているだけなんですよね。

  • ✅ 棚の前まで行って、商品を手に取る
  • ✅ ラベルの向きを探して、スキャナを正面から当てる
  • ✅ ピッと鳴ったのを確認して、元に戻す
  • ✅ これを在庫の数だけ繰り返す

1回あたり数秒の作業でも、5,000点あれば5,000回です。しかも段ボールに入っているものは開けなきゃいけないし、高い棚の商品は脚立が要る。ラベルが汚れていたら読めなくて手打ち。この「1回あたりの手間 × 点数」という掛け算が、そのまま棚卸しの重さになっています。

だから改善の方向は2つしかありません。点数を減らすか、1回あたりの手間を減らすか。点数は事業をやっている以上そう簡単には減らせないので、現実的には後者です。RFIDはこの「1回あたり」を、ほぼゼロにしにいく技術だと思ってもらうといいです。

RFIDの「一括読み取り」は何が違うのか

RFIDは、商品に付けたICタグと読み取り機が電波でやりとりする仕組みです。バーコードは「光」でラベルの模様を読むので、ラベルが見えていないと絶対に読めません。でもRFIDは電波なので、ここが根本的に変わります。

ポイントは大きく3つです。

① 正面から当てなくていい

バーコードはスキャナとラベルが正対している必要がありますが、UHF帯のRFIDタグは正対しなくても読めます。棚の奥のほう、手が届かない場所、見えにくい向きにあるタグも読めるので、「商品を手に取る」という動作自体が要らなくなります(サトー「『棚卸し』を効率化するRFID」)。

② 箱を開けなくていい

電波は段ボールや布を通り抜けます。なので梱包されたままの商品、重なり合った商品も識別できます。開梱・再梱包の手間がまるごと消えるのは、現場的にはかなり大きいです。

③ 何十枚もまとめて読める

読み取り範囲に入っているタグを、複数まとめて一気に読みます。棚に向かってリーダーをかざしながら歩くだけで、棚1本分がドサッと入る。「ピッ、ピッ」を繰り返していた作業が、「サーッとかざす」に変わるイメージです。

バーコードとの違いを表にすると

バーコード RFID
読み取り方式 光(見えている必要あり) 電波(見えていなくてOK)
同時読み取り 1枚ずつ 複数まとめて
箱の中身 開けないと読めない そのまま読める
1枚あたりのコスト ほぼ紙代のみ タグ代がかかる
苦手なもの 汚れ・破れ 金属・水分
バーコードとRFIDの読み取りイメージの比較図
バーコードは1個ずつ、RFIDは箱のまままとめて読める

RFIDそのものの基礎については別の記事で書いているので、「そもそもRFIDって何?」という方はそちらから読んでもらうとスムーズだと思います。

実際、どのくらい速くなるのか

ここは僕の感覚ではなく、公開されている導入事例の数字を挙げますね。

「1日 → 1時間」はだいたい10分の1なので、上のレンジのちょうど良いところに収まります。ただ、この数字が出ている事例は点数が多くて、商品の形がそろっていて、タグを付ける運用が回っている現場であることが多いです。ここは正直にお伝えしておきたいところ。

もうひとつ、時間以外に効くのが精度です。読み取りミスや数え漏れが減るので、「合わないから数え直し」という一番心が折れる工程が減ります。個人的には、こっちのほうが現場の負担軽減としては大きいんじゃないかと思っています。

気になるコスト。タグは1枚いくら?

ここが一番聞かれるところです。価格は時期・数量・仕様でかなり動くので、【要確認】の目安としてご覧ください。

【要確認】一般的なUHF帯のパッシブタグ(電池なしのラベル型)で、1枚あたり十数円〜数十円程度が現在の相場と紹介されています。10万枚単位の大量発注ではさらに下がる傾向です。一方で、金属対応などの特殊仕様タグは1枚100円以上、電池を内蔵したアクティブタグは1個数千円〜1万円以上が一般的です(サトーリコー 製造業DXラボ)。【要確認】ここまで

かつてUHF帯タグは1枚100円以上していたので、だいぶ手が届きやすくなったのは事実です。とはいえ、5,000点に貼れば安くても数万円、毎回貼り替えが発生する運用ならそれが継続的にかかります。「タグ代 × 点数 × 頻度」と「浮く人件費」を並べて比べるのが、判断としては一番シンプルだと思います。

あと忘れがちなのが、リーダー本体・システム連携・タグを貼る初期作業の工数です。特に既存在庫へのタグ貼りは一度きりですが地味に重いので、見積もりのときに必ず聞いておいてください。

正直に言うと、RFIDが苦手な現場もあります

ここを書かないとフェアじゃないので書きます。RFIDには明確な弱点があります。

金属と水分です。電波は金属で反射し、水分に吸収されます。金属製の工具や部品、アルミ缶の飲料、水分の多い生鮮食品などは、通常のタグだと読めない・読み取り距離が極端に短くなるといったことが起こります(リコー「RFIDが普及しない理由とは?」)。金属対応タグという選択肢はありますが、さっき書いたとおり単価が上がります。

もうひとつがタグの密集。狭い範囲にタグが集まりすぎると、電波が干渉して取りこぼしが出ることがあります。「一括で読める」=「100%読める」ではない、というのは押さえておいてください。

だからこそ、各社が口をそろえて勧めているのがPoC(小さく試す実証実験)です。候補のタグを何種類か、実際に管理したい現物に貼って、使う予定のリーダーで読んでみる。これを導入前にやっておくだけで、「入れたけど読めない」という一番きつい失敗はかなり防げます。倉庫の1エリアだけ、商品カテゴリ1つだけ、から始めるのが現実的です。

まとめ

長くなったので整理します。

  • ✅ 棚卸しがしんどいのは「1個ずつ × 点数」の掛け算のせい
  • ✅ RFIDは電波で読むので、正対不要・箱のまま・複数同時に読める
  • ✅ 事例では棚卸時間が5分の1〜10分の1、最大90%削減という報告もある
  • ✅ タグ単価は十数円〜数十円が目安。「タグ代×点数×頻度」と「浮く人件費」を比べる
  • ✅ 金属・水分・タグ密集は苦手。導入前にPoCで必ず試す

「うちは点数が多くて、毎回棚卸しで丸一日つぶれている」という現場なら、一度試してみる価値は十分にあると思います。逆に点数が数百程度なら、まずは在庫データの持ち方を整えるほうが先かもしれません。順番を間違えないのが大事です。

参考になれば嬉しいです!

関連記事

なお、棚卸しの前に「そもそも在庫データがバラバラで…」という段階の場合は、クラウド型の在庫・販売管理システム Web Good Job Plus のページも参考になるかもしれません。


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